昔から「黒が似合う人は美人である」と言われますね。この言葉の背景には、色白崇拝があり、黒を着ると色白の人はより白く、色黒の人はより黒く見えてしまうことから、そんなふうに言われてきたのではないでしょうか。

 色は、単一で存在するときには、どこから見ても赤なら赤。黄色なら黄色。
 ですが、他の色と組み合わされた場合には、互いに影響し合って微妙に色合いに変化が生じます。これを対比効果といいます。(あるいは同化現象)
 だから、「濃い色を着ると顔色が冴える」ということは実際にはないのです。
 
 黒を着ている日本人を観察してみてください。
 この季節になると、まわりじゅう黒のセーターや黒のコートを着た人でいっぱいです。
 服の黒によってよりいっそう、顔が生き生きと白く見えることはまれですよね。
 白い顔が沈みがちになっているほうが多いです。

 黒はまた、くっきりとシルエットを強調するので、スタイルがよくて大人っぽく、そして性格の暗くない人以外は、着こなすことはまず難しいです。

 もし黒をどうしても着たいというときは、首もとをあけたり、素材感にこだわりをもつなどして、性格が暗く見えないように気をつけてくださいね。

 それじゃあ、どうしたら、冴えた顔色を演出できるのでしょうか。

(次回に続く)